初心者が同人誌を作ったり同人イベントに出展するには
2015.02.25同人“オタクの祭典”とも言われるほど人が集まるコミケ(コミックマーケット)。それが何のイベントかご存知ですか?コミケなどのイベントは、「同人誌即売会」や「同人イベント」と呼ばれ、主にアニメやマンガに関連する同人誌やグッズなどが頒布されているんです。
では、一体どうやって作り、どのようにイベントに参加すればいいのでしょうか?その一連の流れをサクっとご紹介します。
オリジナルと二次創作
同人誌やグッズには大きく分けて2種類あります。それは、オリジナルか二次創作かということ。
オリジナルは自分でゼロからアイディアを出した創作物。二次創作は、アニメやマンガなどのキャラクターや設定を題材にしたもので、ファンアートの一種です。
イベントは細かくジャンル分けされていて、出展物をオリジナルのみに限定していることもあれば、二次創作メインのこともあります。二次創作は、さらに題材になった原作ごとにブースなど区分けされるほか、コミケのような大型のイベントでは、ブースや日程が区切られるなど、工夫が施されています。
最初に決める5項目
どのイベントでも、マンガ、イラスト集、小説などの同人誌が多く頒布されています。本を作るとなると一見難しそうですが、基本的なことさえ押さえておけば、意外と簡単にできるんですよ。
まずは「1.版型」。冊子のサイズのことで、同人誌ではB5サイズがメインとなっています。
次に、どのくらいの「2.ページ数」になるかを想定します。印刷の仕組みの関係で4の倍数にしてください。
それから、「3.発行部数」と「4.頒布の価格」を見積もっておきます。
発行するジャンルにより異なりますが、初めての同人誌なら16P~32P、300円~400円前後、30部程度にしておくと不良在庫になりにくいです。
300円で30部が完売した場合、売上は9,000円になります。赤字を出さない「5.予算」の上限も9,000円ですが、初心者は赤字も見込んでおいたほうが安心でしょう。とはいえ、楽しむことを目的に、ガチガチに考えすぎないようにしてくださいね。
印刷方法を決めよう
業者に入稿するなら、同人誌を取り扱っている印刷所を選ぶようにしてください。ウェブサイトに入稿方法や納期をわかりやすく掲載しているはずです。
印刷方法は主に「オフセット印刷」と「オンデマンド印刷」の2種類があり、少部数なら「オンデマンド印刷」を選ぶと低価格で収まります。
また、自宅のプリンタやコンビニ、キンコーズなどのコピーやインクジェットプリンタでも制作は可能です。この手法で作成した同人誌は「コピー本」と呼ばれ、最後にホチキスなどで製本する簡易な冊子となります。
同人誌の構成
前述したとおり、全体で4の倍数になるようページを組んでください。その内の4ページ分は、表紙と裏表紙、それらの裏面にあたります。残りのページの中に、「1.まえがき」、「2.本文」、「3.あとがき」、「4.奥付」を用意します。
「1.まえがき」は読者への挨拶や年齢制限、キャラクターについての注意書きなど。「2.本文」は実際の内容部分です。「3.あとがき」は「4.奥付」と同じページ内でも問題ありませんが、印刷所に入稿する場合、「4.奥付」には発行日・発行人(作者・編集人)・サークル名・メールアドレスなどの連絡先・印刷所名を明記してください。また、年齢制限がある場合は必ず表紙に記載しておきましょう。
ファイル形式や余白に注意
印刷所によって、受け付けているファイル形式や原稿の周囲四辺に用意する余白サイズが異なる場合があります。たとえば、ワードで小説を書いたのに、ワード入稿だとオプション料が付く、入稿できないなんてケースも…。
また、製本される際、原稿の周囲四辺は裁断されます。そこに大事なことを描かないよう注意してください。
印刷所が用意している注意事項を把握してから原稿に取り掛かることをおすすめします。
同人グッズの種類
イラストやロゴが制作できる人は、同人誌のほかに、缶バッジやマグネット、キーホルダーやストラップといったグッズも簡単に作れるはず。ラベルシールを使ったステッカー類も手軽に見栄えの良いものができます。
小ロットから発注可能な業者はありますが、今回は簡単な自作方法を紹介します。
缶バッジ・マグネット
100円ショップで売っている「くるみボタンの制作キット」が、缶バッジとマグネットの基盤になります。
くるみボタンを作る要領で、ボタンより少しだけ大きいイラストと透明のPPシートをはめ込んでいきます。PPシートはイラストの保護フィルムにあたりますが、ネイルのトップコートでも代用可能です。
缶バッジの場合、最後にボタンの穴に安全ピンを取り付けて完成。マグネットにするなら、磁石でボンドを貼り付ければできあがりです。
キーホルダー・ストラップ
子供の頃、プラ板にイラストを描いて、オーブントースターで焼いた記憶はありませんか?実は今、自宅用のプリンタで印刷できる優れものが発売されているんです。キーホルダーやストラップを作るとき、ぜひ使ってみてください。
まずはプラ板にイラストを印刷し、その周辺を少し大きめに切り出します。焼く前に、上部に穴あけパンチで穴を空けておきましょう。オーブンにかけて縮んだら、チェーンやストラップ紐を通すだけです。
ステッカー類
ラベルシールを使ったステッカー類も、自宅用のプリンタで手軽に作れます。
伸びるタイプのシートを使えば、ゲーム機や携帯電話など、曲面のあるものにも貼ることができます。布地のラベルシールなら、マウスパッドや抱き枕カバーなどにも応用可能。マットタイプや光沢、透明など様々な種類があるので、目的に合わせて選んでみてください。
イベントに出展してみよう
出展者としてイベントを参加することを「サークル参加」といいます。せっかくなら同人誌やグッズを作るだけでなく、「サークル参加」したいですよね。
そこで、自分に合ったジャンルのイベントを探してみましょう。ぴったりなものが見つかったら、申請書を送付してください。申し込みが多い場合は抽選が行われ、当選したらサークルチケットや開催要項などが届きます。当日はチケットを忘れず、開催要項にのっとって楽しんでください。
当日の持ち物
出展するとき、つり銭は必須項目。お札や小銭が整理できる袋、コインケースなどもあると便利です。値札を書いたPOPも用意しておきましょう。
また、出展スペースは、タテ45センチ×ヨコ90センチ×高さ65センチ程です。そのサイズのテーブルクロスを用意しておくと、荷物を置いた足元が隠れるだけでなく、ブースを演出できるのでおすすめです。
文房具は筆記用具のほかに、段ボールを開けるカッターやハサミ、売り切れなどを知らせる太マジックがあると、ブースをスムーズに展開できます。帰りに荷物を梱包するためのテープ類も忘れずに。
イベントでは軽食を販売していることもありますが、あらかじめコンビニで購入し、持ち込んでおくとブースを離れずに昼食を済ませられます。ゴミ袋も用意しておいてください。
おわりに
同人イベントで頒布されているもの、それらの作り方や出展方法の大まかな流れは以上です。全体像を把握したら、思い切って制作・参加してみてください。しかし、同人は飽くなき探究心を抱いている人間たちがつどう世界。ジャンルによって細かいルールもあるので、参加する前に一度確認・研究することをおすすめします。
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