ひなまつりを盛り上げるための3つの料理

2015.02.26文化 , 行事
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女の子の健やかな成長を祈るひなまつりには、ごちそうを家族で囲んだり雛人形を飾ったりする楽しさがあります。ひなまつりの団欒では、女の子の行事にふさわしく、華やかな料理でお祝いしてあげたいものですね。

ここでは、ひなまつりに食されてきた伝統的な料理について、その意味やレシピをご紹介します。大切な我が子のお祝い料理に、腕を振るってみてはいかがでしょうか。

 

縁起の良い具材をちりばめたちらし寿司

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ひなまつりの代表的な料理として、ちらし寿司が挙げられます。ちらし寿司は、ひなまつりに限らずお祭りの料理として作られることが多く、特別にひなまつりとの深い関連があるわけではありません。しかし、ちらし寿司の具には縁起の良い食材が多く使われており、願いが込められた料理として、ひなまつりの定番となっています。

たとえばちらし寿司でよく使用される海老には、「腰が曲がるまで長生きするように」という願いが込められており、レンコンには「将来の見通しが良いように」という願いが込められています。また、豆には「健康でまめに働けるように」という願いが込められています。

 

ちらし寿司の作り方(3合分)

はじめにお米3合を研ぎ、普段より若干少なめの水加減にし、だし昆布一片とともに炊きます。そして、炊いている間に具材の準備にかかります。

人参1/2本を千切り、干しいたけ4個を水で戻して薄切り、ごぼう1/2本をささがきにして水にさらします。干しいたけの戻し汁1カップに、醤油大さじ2杯、みりん大さじ1杯、砂糖大さじ1杯を加え、ひたひたの水とともに中火にかけ、水分がなくなるまで煮ます。これらは、混ぜ込み用の具材となります。

次は盛り付け用の具材として、むき海老20尾を茹でて酢に漬けておきます。レンコン2節は皮を剥き、穴に合わせて花びらの形に包丁を入れた後で、5mmほどの薄さに切ります。完成した花レンコンも茹でて、酢に漬けておきます。

菜の花1/2束は塩少々を入れた熱湯でゆがき、食べやすい大きさに切ります。また、卵3個に砂糖と塩少々を加えて薄焼きにし、千切りにして錦糸卵を作っておきます。

ご飯が炊き上がったら、寿司桶に入れて80ccのすし酢をかけ、しゃもじで切るように混ぜて酢飯を作ります。できた酢飯に混ぜ込み用の具材を混ぜて大皿に盛り、盛り付け用の具材をきれいに飾ります。お好みでイクラを乗せると、お祝いにふさわしく華やかな料理になります。

 

夫婦和合の願いが込められたハマグリのお吸い物

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2枚貝であるハマグリには、対となる貝殻同士でなければ、ぴったりと合わせることができないという特徴があります。平安時代には、この特徴を利用して「貝合わせ」という遊びが行われました。

このように他の貝とは合わないハマグリは、一夫一婦の象徴とされています。そのため「末永く一人の相手と添い遂げられるように」という願いを込めて、ひなまつりの料理には、ハマグリのお吸い物が作られる習慣があります。

盛り付けでは、開いた貝の両側にそれぞれ身を置くことで、1つの貝にハマグリの身が2つ仲良く乗っている姿を表現する風習があります。

 

ハマグリのお吸い物の作り方(4人分)

まず下準備として、ハマグリ200gを海水に近い3%程度の塩水につけた状態で、暗所に2〜3時間置いて砂抜きをします。その後、貝同士をこすり合わせながら、真水で貝の表面をきれいにもみ洗いします。また、菜の花4本ほどを塩茹でし、食べやすい大きさに切っておきます。

だし昆布10cm×5cmの表面を濡れ布巾で拭き、鍋に入れた400ccの水に30分ほど浸した後、ハマグリを入れて中火にかけます。沸騰直前で昆布を引き上げ、アクをすくいながらハマグリが開くまで加熱します。口が開いたハマグリから順に引き上げ、身が硬くなるのを防ぎます。

ハマグリをすべて引き上げただし汁に、酒大さじ2杯、醤油小さじ2杯、塩少々を加えて調味し、吸い地を作ります。食べる直前に適量の手鞠麩を吸い地でひと煮立ちさせ、ハマグリと菜の花を盛ったお椀に、吸い地を張って手鞠麩を飾れば完成です。吸口に柚子を添えても良いでしょう。

 

子どもの成長や健康を願う菱餅

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ひなまつりにお供えされる菱餅ですが、菱餅に用いられる緑、白、桃色の餅には、それぞれに込められた願いがあります。

緑の餅は新緑や大地をイメージしており、健やかな成長への願いが込められています。本来はヨモギによって色付けされ、造血作用や香りによる厄除けの意味合いもあります。

白い餅は純白の雪をイメージし、子孫繁栄や長寿への願いが込められています。また、桃色の餅には、桃の花のイメージや魔除けの赤という意味があります。本来の菱餅は、解毒作用のある赤いクチナシの実により色付けされており、健康への願いも含まれています。

菱餅を食べる際には、角をちぎりながら丸くなるように食べると、「角が立たない」と言うことで縁起が良いとされています。

 

菱餅の作り方

本来の色付けに用いられる材料が手に入れば、本格的な菱餅を作ることができますが、それらをすべて入手することは容易ではありません。そのため、ここでは食紅で代用するレシピをご紹介します。

100gの上新粉に100mlの熱湯を少しずつ加えながら、ゆっくりと混ぜ合わせます。また一方で、白玉粉100gにぬるま湯100mlを混ぜ合わせます。

それぞれをこねて耳たぶほどの硬さになったら、両者を合わせて砂糖60gを加え、しっかりと混ぜ合わせます。次にその生地を強火で20〜30分間蒸しますが、耐熱容器に入れてラップをし、電子レンジで3分加熱すると簡単です。

蒸し終わったら、生地を3等分にして着色する工程に入ります。3等分した餅のひとつに赤の食紅を入れて桃色の餅を作り、別のひとつに緑の食紅を入れて緑色の餅を作ります。食紅は耳かき一杯程度が目安ですが、少しずつ加えて好みの色に調節します。

片栗粉で打ち粉をし、3色の餅を同じ厚さに伸ばして下から順に、緑・白・桃色の順に重ねます。最後に包丁でひし形に切ればできあがりです。

 

子ども達が喜ぶお菓子ひなあられ

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ひなまつりに食べられる定番のお菓子にひなあられがあります。その昔、人形に春の景色を見せるため、人形を持って外へ出かける「雛の国見せ」という風習がありました。その際に、ごちそうとともに持って出かけたお菓子がひなあられでした。また、菱餅を外で食べられるように工夫した結果、ひなあられが作られたという説もあります。

ひなあられの緑は木々の芽吹き、白は雪の大地、赤は生命を表しており、「子どもが健やかに成長するように」という願いが込められています。さらに黄色を加えた4色で四季をあらわしたひなあられも多く、こちらは、「1年中幸せに過ごせるように」という願いが込められています。

 

ひなあられの作り方

ひなあられは市販のものを購入される方も多いと思いますが、実は意外と簡単に手作りすることができるお菓子です。

まず、切り餅10個分を5mm角にカットします。カットした餅をオーブンの天板に敷いたクッキングシートの上に間隔を開けて並べ、150度に温めたオーブンで20分ほど加熱します。

次に、鍋に水150ccと砂糖150gを入れて火にかけます。砂糖が溶けたら粗熱をとって3等分し、ピンクの食紅を混ぜた砂糖水、緑の食紅を混ぜた砂糖水、何も混ぜない砂糖水の3色を作り、それぞれを霧吹きに入れます。焼いた餅が熱いうちに、1/3量ずつ3色それぞれの砂糖水をからめ、5分ほどオーブンで加熱して水分をとばせば完成です。

 

おわりに

ひなまつりのお祝いを彩る伝統的な料理についてご紹介しました。それぞれの料理に込められた深い願いを知ることで、かわいい我が子のために作ってあげたいという気持ちが増すと思います。願いを込めて作るお祝い料理は、ひなまつりの幸せな思い出として家族の心に深く残ることでしょう。

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