【セキュリティ対策】パソコンから完全にデータを消去する方法
2014.06.14データ消去 , パソコン , 仕事復元されないためにパソコンのデータを完全に消去
古いパソコンを処分するとき、困るのがデータの処分です。単純にゴミ箱に放り込んだり、フォーマットしたりしただけで終わっていませんか。
これだけでは、データはパソコンから消えません。この状態でリサイクルショップなどに持ち込めば、後のユーザーに簡単にデータを復元されてしまいます。復元されないためには、データを完全に消去してしまうことが大切です。
データを残すことの危険性
2002年に、中古のパソコンを購入した名古屋の大学生が、パソコンに残っていた診療報酬明細書の画像を発見しました。購入した大学生が市販の復元ソフトを使ってデータを復元したら出てきたものです。
この大学生はすぐに新聞社に通報しましたが、もしこういったデータが悪意のあるユーザーの手に渡ってしまったらどうでしょうか。お客様の個人情報やセンシティブ情報が、脅迫や詐欺などの犯罪を引き起こすかもしれません。それがデータ消去を怠ったせいだとしたら、お客様に多大な迷惑をかけるだけでなく、企業の信用にも関わります。
これは企業だけでなく、個人でも同じです。個人のパソコンにも個人を特定できるデータがたくさん詰まっています。不要なトラブルに巻き込まれないためには、企業や個人を問わず、データを完全に消去してから処分しなければなりません。
「ゴミ箱を空にする」だけでは完全ではない
しかしデータ削除や、フォーマットしただけでは、データは完全には消えません。単純にパソコンがデータを削除したと認識してくれるだけです。
データをゴミ箱から削除すると、そのデータには削除したという印が付きます。削除したという印が付くと、ユーザーからはそのデータが見えなくなり、データの容量にも含まれなくなります。目隠しをされただけで、データ自体はまだ残ります。
フォーマットをした場合は、ファイルがここにあったというデータは削除できます。しかしデータそのものはハードディスクに残っているため、完全にデータが消えたわけではありません。
これらの状態であれば復元ソフトなどを使って、簡単に復元が可能です。名古屋の大学生が購入したパソコンは、この状態だったために復元できました。データを完全に消去するには、復元できない状態にする必要があります。
データが完全”に消去されるシステム”
パソコンのハードディスクから完全にデータ消去をする方法は、実はありません。完全なデータ消去も、消去というよりは上書きして何のデータかわからなくするといった方が正しいです。
ハードディスクの中にあるデータは、データそのものとデータがここにあるという記録で成り立っています。データがここにあるという記録は、いわば保護のようなものです。この記録がある限りはユーザーの目からデータは見えるし、任意でなければ上書きできません。
削除やフォーマットは、データ本体ではなく、データがここにあるという記録を削除します。記録を削除すると、保護が解除され、ユーザーの目から見えなくなります。この状態になると、いつでも上書きできる状態になります。
その後新しいデータを作ると、データが上書きされてデータの本体が消えます。どのデータに上書きされるかは、ランダムで決まるため選べません。パソコンからデータを完全に消去するには、ダミーのデータを残っているデータ本体に上書きしていくしかありません。
完全”に消去する方法”
ダミーデータの上書きは、ソフトを使えば比較的容易にできます。ソフトによって上書きされる回数が違っていて、回数が多ければ多いほど復元される可能性が低くなります。一部のOSでは消去できるコマンドもありますが、この場合OSは消去されません。
時間がない人や自分で行うのが不安という人は、専門業者に頼む方法もあります。業者ではソフトを使ったり物理的に破壊したりしてデータを処分してくれます。業者の中にはデータの消去後、データ消去証明書を書いてくれるところもあります。
最後に
さまざまな記録を電子機器で管理するのが当たり前になった現代だからこそ、情報漏洩の危険は以前にも増して高まっているといえます。廃棄したはずのパソコンから思わぬ漏洩を防ぐためにも、上に挙げた方法を参考にして、データを復元させないようにする一手間を欠かさないようにしましょう。
参考URL
ニュース – 「ハードディスクのデータ消去を徹底してほしい」,中古オフィス機器販売大手が指摘:ITpro
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