トラブルを防ぐために知っておきたい任意売却物件購入のポイント

2016.10.12不動産 , 物件購入
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任意売却物件のメリットは、一般的な売却不動産と比較して安価であることです。しかし、任意売却についての理解が不十分であることが原因でトラブルが起きることも少なくありません。

そこで今回は、トラブルを防ぐために知っておきたい、任意売却物件購入のポイントをご紹介します。

任意売却物件とは?

不動産を担保に住宅ローンや借金などを借りた債務者が返済を滞納した場合、債権者は裁判所に向け、担保にした不動産を競売に掛けるための申し立てを行います。

そのような形で競売に掛けられる前に債権者が債務者と話し合いを行い、一般の不動産と同様に不動産業者などへ不動産を売却することを任意売却と言います。
省略して「任売」と呼ばれることもあります。

任意売却物件購入のメリットとデメリット

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一般的に、任意売却物件は通常の売却不動産よりも安く購入できます。通常の7割くらいの価格で購入できることも多いでしょう。
しかし、一方ではデメリットもあります。

まず挙げられるデメリットが、決済までに時間が掛かる場合があることです。債務者が売却価格に同意していても、債権者との交渉が成立していなくては売買ができません。交渉がうまく行かない場合、予想外の長い時間を必要とすることがあります。

また、任意売却物件の場合は売主の瑕疵担保責任が免除されることも、買主からするとデメリットです。瑕疵担保責任とは、不動産に欠陥などの瑕疵があった場合に売主が買主に対して負う責任のことです。

一般の不動産取引の場合、売主は瑕疵担保責任を負います。買主は、瑕疵を知った時点から1年間、売主に対して損害賠償請求を行うことができます。

しかし、任意売却物件の場合は売主の瑕疵担保責任がないため、物件購入後に瑕疵があることを知っても買主自身で責任を負わなくてはなりません。リスクを回避するためには、物件購入の前に売主から設備状況確認書などの不動産関係書類を受け取り、買主自身で設備状況を確認することが重要です。

また、任意売却は債務者が債権者に債務を返済することを目的としているため、基本債権額より下は値引き交渉ができないこともポイントです。

物件の中に債務者の残留物がある場合も注意してください。買主の自己判断によって処分を行うと、トラブルにつながる可能性があります。残留物があった場合は、仲介の不動産会社に相談をした上で対処し、後々のトラブルを回避しましょう。

購入の流れと注意点

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任意売却物件の購入手順は、一般的な不動産購入の場合と基本的には変わりありません。

物件の予算や条件を決め、不動産業者で物件を検索し、業者と一緒に物件の下見をします。意向に合うものがあった場合は諸条件の交渉を行い、買付証明書を提出して売買契約を締結します。決済を終え、物件の引き渡しを終えると購入完了です。

制限や手続きが多くはなりますが、ローンを利用することもできます。

取引において生じる諸費用としては、売買契約書に貼付する印紙代、不動産取得税、登録免許税、仲介手数料、保険料(加入する場合)、融資事務手数料(融資を受けた場合)などがあります。これらも、一般的な不動産購入の場合と変わりありません。

ただし、一般的な不動産の購入とは異なる部分もあります。

まず、一般的な不動産購入の場合、売買契約書締結時に、売主に対して売買価格の1割程度の手付金を支払うことが通常です。

しかし任意売却物件の場合は、債務者の持ち逃げを防ぐため、売主側の業者が手付金を一時的に預かり、決済の際に債権者に引き渡します。そのため、手付金は絶対に債務者に渡さないよう、よく気を付けてください。

おわりに

任意売却物件は、債務者と債権者との間で売買金額に折り合いが付きさえすれば、競売のように不特定多数の競争相手と競うこともなくスムーズに購入手続きを進められます。
現所有者が分かっているため、物件の現状も把握しやすい点もメリットです。

任意売却物件についての理解を深め、トラブルを回避して賢く購入しましょう。

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