昆布、かつお、煮干し…和食の基本「だし」の使い分けを知ろう!

2016.12.28レシピ , 暮らし
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和食の基本「だし」

料理、特に和食作りに「だし」は欠かせません。だしをとって丁寧に作られた和食は味に深みがあり、使われている素材のおいしさが引き立っています。

だしは数種類ありますが、和食で主に使うのは昆布・かつお節・煮干し(いりこ)・干しシイタケです。今回はだしについての基本と、この4種類のだしの特徴および使い分け方をご紹介しましょう。

 

 

だしはおいしさを決める鍵!

だしはおいしさを決める鍵だしは、昆布などの食材からうま味成分や香りを取り出した調味料の一種です。うま味とは、基本となる5つの味(甘味・酸味、塩味、苦味・うま味)の1つ。うま味の主な成分はグルタミン酸・イノシン酸・グアニル酸で、これらはアミノ酸や核酸に分類されます。

料理をおいしいと感じる気持ちは、味や香り、食感、食事環境など複数の要因が重なって生じますが、うま味はこの「おいしさ」に深く関わる大切な要素です。

だしには、天然素材をそのまま使うものと、インスタントだしやうま味調味料など既製品があります。後者は便利ですが、塩分が強いものがあり、味もやや単調になりがち。一方、天然素材のだしを使うと、香り豊かになり味も奥深くなります。

だしのとり方には「一番だし」「二番だし」の2種類があります。「一番だし」は最初にとっただしで、かつお節だけを使う場合と、かつお節と昆布でとる場合があります。一番だしは香りやうま味を瞬時に引き出しており、味わい濃く香り高いのが特徴です。一般的にすまし汁や雑煮、しゃぶしゃぶなど、だしのうま味をそのまま生かす料理で使われます。

そして「二番だし」は、一番だしで使った素材を弱火にかけ、素材に残ったうま味を長時間かけて引き出したものです。二番だしはうま味が強く、味噌やしょうゆなど調味料を加えて味を調えます。味噌汁やおでん、煮物などによく使われます。

だしを上手に使った料理は、素材や調理方法がシンプルでも、うま味が全体に行きわたって豊かな味わいになります。だしは、おいしさを決める「鍵」なのです。


 

だしを上手に使い分けよう

だしの上手な使い分け前述のとおり、だしは数種類あり、和食では主に昆布・かつお節・煮干し(いりこ)・干しシイタケを使います。では、この4種類のだしの特徴を生かした使い分け方をご存知でしょうか? だしのうま味成分はそれぞれ異なるので、料理の素材や調理方法に適しただしを使うのがベストです。以下、だしの素材ごとの使い方です。

 

 

【昆布だし】

だしに向いている昆布は真昆布・羅臼(らうす)昆布・利尻昆布・日高昆布の4種類で、味や香りにそれぞれ個性があります。

昆布からとるだしは上品でふんわりと優しいうま味が特徴で、素材の風味を大切にする精進料理や野菜料理、湯豆腐、出し巻き卵などに適しています。

昆布は幅が広く肉厚のものを選ぶと、うま味をしっかり出せます。長時間煮込むときは、鍋などの底に昆布を敷いて煮ると、焦げ付き防止になりおすすめです。

 

【かつおだし】

かつお節からとるだしは、豊かな香りとうま味を楽しめます。かつお節は大きく薄く削られたものが使いやすいですが、風味を強くしたいときは厚く削ったものや黒っぽい血合いの混ざったものを選びましょう。かつおだしは、だしのうま味を前面に出す料理(すまし汁や茶わん蒸しなど)に向いています。

また、昆布だしと合わせて使う場合も多く、2種類合わせただしでうま味の相乗効果が生まれ、幅広い料理で利用できます。

 

【煮干し(いりこ)だし】

煮干(いりこ)だしはかつお節と同じく魚が原料ですが、かつお節より魚そのものの風味とコクが出て、強い香りのだしがとれます。よく使われる料理は、味噌汁や麺類のつゆ、煮物などです。

煮干でよく使われる魚はカタクチイワシ。良い煮干しは、十分に乾燥して腹部がくの字に曲がっているもので、これは新鮮な魚を加工している証です。一方、背中が盛り上がっているもの、頭部がなかったり腹部が崩れていたりするものは避けましょう。

 

【シイタケだし】

干しシイタケに含まれるうま味成分は生シイタケにはほとんど含まれず、乾燥させると大幅に増加します。

シイタケだしだけでは味わいや香りが強すぎるため、一般的にはかつお節や昆布と合わせてだしをとります。だしをとる際は、干しシイタケを冷水に漬けこみ、冷蔵庫に入れて24時間以上かけて水戻しします。なぜなら、干しシイタケを加熱するとうま味成分が破壊されるからです。適した料理は炊き込みご飯や炒め物、煮物などで、シイタケ自体もそのまま食べます。

 

おわりに

だしは、料理で使われる素材としては形に残ることが少なく、目立たない存在です。しかし、実はおいしさを決める鍵として、主役級の役割を担っています。

いにしえびとの生活の知恵から生まれただし文化は、私たちが料理をしていく限り守っていきたいもの。ぜひ、素材ごとの特徴を生かしただしの使い分けで、料理を楽しみましょう!

 

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