光化学スモッグの原因と光化学スモッグ注意報が発令された時の対策法
2014.08.07光化学スモッグ , 対策 , 社会最近よく聞く光化学スモッグ。体に良くなさそうなのはわかるけれど、何ものなのか今ひとつわかっていない人も多いのでは?そんな光化学スモッグについて、原因から対策法までご紹介します。
光化学スモッグとは
光化学スモッグとは、人体に悪影響を与える大気汚染現象です。光によって大気中の汚染物質が分解されることで、新たな有害物質が発生します。
スモッグ(smog)という語は実は合成語で、smoke(煙)とfog(霧)が合わさってできました。これは、20世紀初頭のロンドンで、目に見えて汚れている空気に対して用いられたのが始まりとされています。
一方、日本の光化学スモッグは注意報が発令されたからといって大気が煙って見えるということはありません。しかし、目に見えないからこそ注意が必要となります。
光化学スモッグはこうして発生する
工業化が進み、工場や自動車などから窒素酸化物や炭化水素がたくさん排出されるようになりました。これらの物質は太陽光により光化学反応を起こし、人体に有害とされるオゾンやペルオキシアシルナイトレートなどの光化学オキシダントやアルデヒドに変化します。これらが、光化学スモッグの原因となる物質です。
4〜10月の間、日差しが強い・高温・風が弱いなどの気象条件が重なって、光化学オキシダントが大気中で拡散されずに滞留し、高濃度になることによって光化学スモッグが発生します。
空気中の光化学オキシダントが0.12ppmに達すると、光化学スモッグ注意報が発令されます。警報は各自治体が独自に条件を設定しているため一概には言えませんが、一般的には光化学オキシダントが0.24ppm程度に達すると発令されるようです。
要注意!こんな日に発生しやすい
日中の最高気温が25度以上で日照時間が長く、無風もしくは弱風の日であるなど、よく晴れた暑い日に発生しやすくなっています。したがって、猛暑の夏は発生回数が多く、冷夏に少ない傾向にあります。逆に、雨の日には光化学反応が起きにくいため、光化学スモッグが発生することはまずありません。
特に危ないのは、薄曇りであまり雲が移動しないような日です。ちょっと意外かもしれませんが、雲があるせいで大気が拡散しないため、有害物質が地表付近で滞留しやすいのです。どんよりとした風のない日には注意しましょう。
こんな症状が出たら気をつけて
光化学スモッグは人体に悪影響を与えます。例えば、目がチカチカしたり異物感や痛みを感じたりします。ほかにも、喉が痛い・咳が出るなどの呼吸器症状や、吐き気、頭痛、皮膚の発赤などが出たりします。
喘息などのアレルギーを持っている人は、症状が悪化することがあります。呼吸器や目・口の粘膜にアレルギーを持つ人は、光化学スモッグ注意報には特に注意しましょう。
光化学スモッグ発生中の対策法
残念ながら、画期的な健康被害の予防法はありません。一番効果的な対策は、とにかく屋外に出ないということです。
しかし、そうはいってもずっと家の中に閉じこもっているわけにもいきません。完全なシャットアウトは望めませんが、マスクである程度の予防は可能です。花粉症用のゴーグルも装着すると予防効果が上がるでしょう。
症状が出てしまった場合の対処法は、目やのどに異常感があれば洗眼やうがいをしましょう。皮膚にかゆみがあるのならシャワーで流すとよくなります。呼吸困難感があるなど重たい症状が出た場合は病院を受診しましょう。
おわりに
光化学スモッグはとても身近な大気汚染現象です。夏になれば少なくない地域で発生し、真夏の首都圏での発生は必至といえます。確実な予防法は、警報が発令されたら外には出ないということです。
光化学スモッグの特徴を知って、上手に夏を乗り切りましょう。
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