読書の秋!秋の読書週間の由来と読書感想文を手早く終わらせる方法
2014.11.07読書 , 趣味秋と言えば、食欲の秋・スポーツの秋といろいろありますが、昔からよく言われているのが「読書の秋」です。日本では10月27日から11月9日の2週間が、秋の読書週間として定められています。
確かに気温も過ごしやすくなり、夜も長くなる秋は読書には絶好の季節です。また、学生の皆さんにとっては、読書週間は読書感想文を書かなくてはならない時期でもあるといえるでしょう。
こちらでは、秋の読書週間の由来や、読書感想文の手早い書き方、上手な書き方などをまとめてみました。
読書の秋の由来は漢詩にあり
「灯火親しむべし」という詩をご存知でしょうか。これは中国唐時代中期の詩人・韓愈(かんゆ)による漢詩であり、「秋の夜長は灯火の下で読書するのがふさわしい」という意味で解釈されています。実はこの詩こそが、読書の秋の由来ではないかと言われています。日本では、夏目漱石が明治時代に発表した小説『三四郎』の中でこの詩に触れています。
その後大正時代には、新聞や文芸誌で「読書の秋」、「美術の秋」といったフレーズが用いられるようになり、その頃から読書の秋はだんだんと浸透していったのではないかと考えられています。ちなみに「美術の秋」、「芸術の秋」は、秋に日展や院展、二科展など有名な絵画展が多く開催されていたことから定着したようです。こうした背景もあり、秋は文学や芸術などに触れる季節として浸透していったとされています。
秋の読書週間が生まれるまで
続いて、秋の読書週間が生まれた歴史についてみていきましょう。秋の読書週間の原型となったのは、1924年(大正13年)に始まった「図書週間」だと言われています。こちらは毎年11月に行われ、時期的にも漱石の『三四郎』や、「読書の秋」のフレーズの浸透とも重なります。
「図書週間」は後に「図書館週間」と改名されて毎年続きますが、1939年(昭和14年)に、戦争の影響を受けて一旦廃止されます。終戦から2年後の1947年(昭和22年)、日本出版協会や日本図書館協会、書店・書籍取次会社、その他報道・文化団体が参加し、「読書週間実行委員会」が結成され、第1回読書週間が行われました。これが現在も続く秋の読書週間です。
第1回は1週間のみであったようですが、「1週間では惜しい」との声もあり、第2回からは10月27日から11月9日の『文化の日』を真ん中に挟んだ2週間となり、その日程で現在に至るまで続いています。
秋の読書週間の豆知識
第1回読書週間の際、参考にされたのが、アメリカで行われていた「チルドレンズ・ブック・ウィーク」という子どもの読書週間でした。こちらが11月16日から1週間あまり開催されていたことも、日本の読書週間が11月頃となった要因だと考えられています。
また、読書週間が読書感想文や課題図書など、子どもや学生に読書に親しんでもらおうとする特徴が強いのも、こちらの「チルドレンズ・ブック・ウィーク」が元となっていることも関係があるのかもしれません。
また、読書週間のマークはフクロウがモチーフになっていますが、読書推進運動協議会によると、こちらの由来はギリシャ神話だそうです。フクロウは、学問や知恵を司る女神・アテナの使者であり、聖なる鳥とされています。そのイメージから、フクロウがモチーフとなっています。
【読書感想文の上手な書き方】
1.『全体を4つの構成で考える』
では、読書感想文の書き方についてご紹介していきましょう。読書感想文は苦手な方も多いと思いますが、全体を組み立てるやり方を覚えれば、上手に、手早く書くことができます。
1つめのポイントは、そうした全体の構成力です。まず、書き出す前に構成を4つに分けてまとめておきましょう。4つの構成は、「書き出し」、「展開1」、「展開2」、「まとめ」です。
「書き出し」は、本の紹介です。簡単なあらすじや、自分がその本を読んだきっかけを書きます。ここはあまり長くならないように、簡潔にまとめましょう。
「展開1」は、その本を読んで自分が感じた率直な感想や、意見などを書いていきます。面白かったことや、ワクワクしたこと、共感したこと、感動したことなどを書いていくと良いでしょう。
「展開2」では、「展開1」で書いた内容を掘り下げます。ここに一番力を入れましょう。自分がどうしてそんなに感動したか、自分が登場人物の立場ならどうしたか、物語への疑問などを書いていくと筆が進みやすいでしょう。
「まとめ」では、「展開1」と「展開2」を通じて、自分が最終的に感じた感想を書いていきます。この本から自分が何を学び取ることができたか、などを結論にもってくると上手にまとめやすいでしょう。
これはいわゆる「起承転結」と呼ばれる文章の構成の手法です。読書感想文だけでなく、論文やレポート、仕事上の書類などにも応用できる構成です。
原稿用紙に感想文を書く前に、メモなどにこの4つの構成を簡単に書き出しておいてから、実際の感想を執筆すると、上手にまとまりやすいでしょう。バランスとしては、「書き出し」が1〜2割、「展開1」が3割、「展開2」が3〜4割、「まとめ」が2割くらいを意識すると、全体に読みやすくなります。
2.『メモを上手に活用しよう』
全体の構成をしっかり4つに分け、書きやすくするためには、その前にメモでまとめておくことが大切です。読んでいる時から意識して、面白いと思ったところや疑問に思ったところを簡単にメモしておきましょう。感想文を書くときにそれを見て、構成を考えるとスムーズです。
また、面白かった場面は、立ち止まって何度か読み返してみましょう。自分の中で印象が強く残るため、感想も書きやすくなります。同じように、難しく感じたところも何度か読み返す癖を付けると、だんだん理解力が深まっていきます。
3.『書き上げた後はしっかりチェックしよう』
書き上げた後には、誤字や脱字がないか、また読みにくいところはないかをチェックすることも大切です。書き終えたら、必ず一度自分で読み返して確認してみましょう。この時に、実際に声に出して読んでみると、おかしいところがないかチェックがしやすくなります。小学生くらいのお子さんの場合は、家族の方に読んで確認してもらうのも良いでしょう。
また、書いている途中で筆が止まったり行き詰まったりした時も、一度手を止めて、それまで書いた部分を読み返してみることをおすすめします。そうすると、自分の中でもう一度整理ができ、何が書きたかったかを思い出しやすくなります。
上手な本の選び方
最後に、上手な本の選び方も紹介しておきます。やはり、自分が面白いと思わなければ読書は進みませんし、感想文もなかなか書けないものです。よって、興味がある、自分が面白そうだと思える本を選ぶことが最も大切です。無理に難しい本を選ぶことはありません。一番ワクワクする本を選びましょう。
課題図書などが決まっていて、なかなか選べない場合は、それぞれの最初の数ページを読んでみるのもおすすめです。学校の図書館や街の図書館などに行けば、課題図書は大抵すべて用意されているはずです。出だしを読み比べて一番面白く感じたものを選びましょう。
おわりに
読書週間や読書感想文の目的は、本にふれて楽しい世界を知ったり、新しい知識を得る喜びを知ったりすることです。決して、感想文を提出することが目的ではありません。
自分が物語の中で「これからこのお話はどうなるの?」とワクワクしたり、「この登場人物と同じことを普段私も感じている!」と共感したりすることこそが大切です。そこで感じた想いを、「誰かにこんなに面白い本があるって伝えたい!」という姿勢で書けば、その読書感想文はきっととても素敵な内容になるのではないでしょうか。
灯火親しむべし。読書の秋、長い夜には灯りの下で、読書の楽しさにふれてみてください。
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