税金で損をしないためのFXで得た利益の確定申告の仕方

2014.06.11FX , マネー , 投資

きちんと確定申告のやり方を覚えよう！

FXで利益を得た場合、確定申告をして税金を納めなければなりません。

一定以上の利益を出したにも関わらず確定申告をしないでおくと、あとあと大変な事になる恐れがあります。そのためきちんと確定申告のやり方を覚えて、利益を出したら必ず済ませておく事が大切です。

どのくらい利益を出すと確定申告が必要になるのか

サラリーマンなどの給与所得者がFXをやった場合、1年間で20万円以上の利益を出すと確定申告が必要になります。利益を出しても1年間で20万円まで届かなかった場合は納税義務が発生せず、確定申告の必要もありません。また利益を出す事ができず損失が出てしまった場合も同様です。

しかし損益通算をしたい場合には、1年間で20万円未満の利益だった場合や損失が出た場合も確定申告が必要です。損益通算はFXで出した利益の他に商品先物取引やCFDで出した損益が対象になります。

確定申告の具体的な手順

FXで利益を出した場合の確定申告は「先物取引に係る雑所得等」として申告するようになっています。税率は一律に20パーセントと定められており、その内訳は国税としての所得税が15パーセントで地方税が5パーセントです。さらに平成49年までは復興特別所得税として2.1パーセント上乗せされます。

また所得税は総合課税を原則としており、通常は全ての所得の合計を算出してから税率を乗じて税額を計算します。しかしFXで得た利益は分離課税という扱いになるため、給与所得や他の雑所得などとは無関係に課税されます。ただし損益通算の対象になっている商品先物取引やCFDなどで得た利益とは合算して所得額を計算する事になります。

記入には確定申告書Bの分離課税用の用紙を用います。収入額と所得額を先物取引の欄に記載し、税金の計算の欄には所得額に15パーセントを乗じた金額を記載します。FXに関する事項はここまでで、他に所得がある場合はそれらの項目を埋めて合計すると作成完了です。これを3月15日までに税務署に提出します。

実際に確定申告書を作成して提出する際には、通常の確定申告書の他にもう1つ提出書類が必要になります。「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」という書類で、表に書いてある項目の数字を埋めていく事で収入額から必要経費を差し引く計算をするようになっています。数字がゼロの項目は空欄のままで埋めなくても問題ありません。必要な項目を順番に埋めて行くと最終的に一番右下にFXによる所得金額が算出されます。商品先物取引やCDFも行っている人の場合は、同じ書類でそれらによる所得と合算して計算する事になります。縦の項目がAからCまで３つあるため、3種類まで1枚の申告書に書く事ができます。4種類以上ある場合には申告書を2枚使用します。

確定申告をしないで放置しておくとどうなるのか

確定申告をしないで放置しておけば税金を払わなくて済むのではないかと考える人も中にはいます。しかし、特に最近では個人が投資をしやすい環境になってきた事から、FXを含めインターネットを利用して投資を行っている人が増えてきています。そしてそういった人たちの中には、通常のサラリーマンの年収を遙かに超える金額の利益を出している人も少なくありません。
そのため税務署にとって、FXなどの投資による利益にかかる税金というのは無視できないものになって来ています。こうした事から税務調査も強化して行われています。

確定申告が必要な場合でこれを行わず放置し、税務調査において発覚した場合は追徴課税を受ける事になります。また申告漏れの金額が大きい場合や悪質だと判断された場合で、脱税として逮捕された実例も何件かあります。そのためFXで利益を得た場合には、必ず確定申告を済ませておく必要があります。

最後に

会社員としての収入だけでは安定しないと、副業をするサラリーマンも増えてきました。FXなどの投資で大儲けする人も決して珍しくありません。それが「申告漏れ」で多額の徴税を受けては元も子もないでしょう。手間のかかるものですが、得た収益はきちんと納税し、社会に還元していきましょう。

参考URL

No.1521 外国為替証拠金取引（FX）の課税関係｜所得税｜国税庁
 No.1522 先物取引に係る雑所得等の課税の特例｜所得税｜国税庁
 税務調査問答集

タグ : FX　確定申告

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