退職金の相場は?正しい退職金の計算方法

2014.08.11仕事 , 退職 , 退職金
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退職金がいくらもらえるかということは、老後の人生設計にも関わる大きな問題です。退職金の大まかな相場や計算法に加え、退職金の種類についてなど、気になる事項について解説します。

退職金は必ずもらえるの?

退職金はもらえるのか

実は、退職金はすべての企業で必ず支給されるものではありません。これは、退職金が法律で定められた制度ではないことに起因します。退職金の有無は個々の企業の就業規則によるため、規則で退職金について定められていなければ支給されません。
平成25年度の厚労省の調査によると、退職金給付制度がない企業は全体の約15%にも及びます。まずは勤め先企業の就業規則で退職金給付制度の有無を確認してみましょう。

 

退職金の給付方法は一種類だけ?

退職金の給付方法

退職金給付制度においては、一定の事由で退職する人やその親族に対して一定の金額が支払われることになっています。そしてその給付方法によって、さらに退職一時金制度、退職年金制度、両制度併用型に分けられます。
多くの人が退職金と聞いて思い浮かべるのは退職一時金制度です。これは、退職時に一括して一時金が支払われるものです。一方退職年金制度は、退職後一定期間、あるいは生涯にわたって一定の金額が年金として支払われる制度です。

 

退職金の相場は決まっているの?

退職金の相場

退職金と一口に言っても、企業の規模や業種、勤続年数や学歴などそれぞれの状況により大きく異なります。そこで、平成25年度の厚労省の調査を参考に、勤続35年以上の定年退職者(管理・事務・技術職)における学歴別の退職金給付額平均値をご紹介します。なお、企業規模は1000人以上とします。
この条件での退職金給付額平均値は、大学卒で約2200万円、高校卒で約1960万円です。これは一時金制度のみ、年金制度のみ、両制度併用すべてのパターンの平均値となっています。
制度によって分けると、一時金制度のみの場合は大学卒で約1760万円、高校卒で約1645万円です。年金制度では大学卒で約2256万円、高校卒で約1942万円、そして両制度併用の場合は大学卒で約2525万円、高校卒で約2286万円です。
この結果を見ると、両制度併用が最も給付額が高いことがわかります。

退職金の計算方法は?

退職金の計算方法

支給される退職金の額を調べる場合、給付制度や各社による退職金規定によって調べ方が異なります。一時金制度の場合は計算式を使って調べますが、年金制度の場合は特別な計算式は必要ありません。
それでは、退職金規定の具体例を挙げてご紹介しましょう。

退職一時金制度の場合

たとえば退職金給付制度が一時金制度の場合、規定は一般的に以下のような形態となります。
「退職金は、退職時の月給に、別途定める支給係数表に該当する支給率を乗じて算出する。」
要するに、計算式は「退職金=退職時の月給×支給率」となります。
支給率は企業によって異なり、「勤続年数5年で3.0、勤続年数30年で28.0」など、勤続年数に応じて定められています。
勤続年数30年で退職時の月給が40万円だと仮定した場合、「40万円×28.0=1120万円」になります。
ただし、退職理由が自己都合の場合、退職金規定で定められた割合を乗じなければなりません。
仮にその割合を80%とし、先ほどの具体例を使って自己都合退職した場合を考えると、「40万円×28.0×80%=896万円」という結果になります。

退職年金制度の場合

退職年金制度の場合の一般的な規定は、以下の通りです。
「退職年金の支給は年○回(○月、○月…)、給付期間は退職後○年間とする。」
先述した通り、この場合は一時金制度のような計算式は必要ありません。勤続年数によって給付額が定められ、その額が一定期間決まった月に支給され続けることとなります。
たとえば年4回・給付期間20年・勤続年数30年で15万円と定められている場合は、1年間に60万円、総額1200万円の退職年金が支給されることになります。

退職金はその金額の100%を受け取ることができない?

退職金は全額もらえるわけではない

前項で退職金の調べ方をご紹介しましたが、その退職金全額が懐に入るというわけではありません。所得税や住民税が差し引かれてしまいます。
ここで注目したいのが、退職金全額が課税対象になるわけではないということです。退職金の課税対象とされるのは『退職所得』と呼ばれる部分のみです。退職所得は以下の計算式で求めることができます。
「退職所得=(退職金-退職所得控除額)÷2」
ここで登場する『退職所得控除額』は、その名称通り退職金に課される税金をいくら控除できるのかを表したものです。勤続年数が長いほど増額され、税金の負担が軽くなる仕組みになっています。
この退職所得控除額は、勤続年数20年以下の場合は「40万円×勤続年数」、勤続年数20年超の場合は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」という式で計算することができます。
たとえば勤続年数が10年の場合、退職所得控除額は「40万円×10=400万円」となります。
対して勤続年数が30年の場合は、「800万円+70万円×(30年-20年)=800万円+700万円=1500万円」です。
仮に、勤続年数30年・退職金が2000万円だった場合、退職所得は下記の通りになります。
「(2000万円-1500万円)÷2=250万円」
この場合は250万円が課税対象となり、税制に基づいた所得税額が徴収されることとなります。国税庁住民税に関しては総務省により『市町村民税・道府県民税の特別徴収税額早見表』が発表されているため、そちらを参考にすることをおすすめします。

おわりに

退職金制度には二つの種類があるということ、そしてその相場、調べ方などをご紹介しました。
老後の生活になくてはならない退職金。将来のことを考える上での参考にしてください。

参考URL

http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/13/index.html-厚生労働省『平成25年就労条件総合調査結果の概況』
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1420.htm-国税庁『退職金を受け取ったとき(退職所得)』
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/65871.html-総務省『平成25年1月1日以降の退職所得に対する住民税の特別徴収について』

タグ : 退職金の平均額と算出方法
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