11月のお祭り・酉の市とは?酉の市と熊手の意味について
2015.11.08文化 , 行事 , 酉の市「酉の市」と呼ばれるお祭りを耳にしたことがある方も多いでしょう。江戸時代から毎年11月に開催される由緒正しきお祭りで、縁起物として熊手が売られることでも有名です。
では、酉の市がどのようなお祭りであり、なぜ熊手が売られるのかをご存じでしょうか。今回は、11月のお祭り・酉の市と熊手の意味についてご紹介します。
酉の市とは?
酉の市とは、毎年11月の酉の日(十二支の酉をさす日)に、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が祭られている「おおとり」の名前を持つ神社(大鳥神社、大鷲神社、鷲神社)などで開催される由緒正しきお祭りです。
始まりは江戸時代にまでさかのぼり、現在でいう東京都足立区花畑の大鷲神社が発祥の地ではないかといわれています。当時は、神社の近くに住む農民たちが鎮守である鷲大明神に鶏を奉納する収穫祭でした。
その後、開運招福や商売繁盛を願うお祭りとなり、現在も熊手などの縁起物を売るお店と買い求める人とで賑わいを見せています。酉の市は他にも「酉のまち」「お酉さま」とも呼ばれています。
酉の市には欠かせない熊手
酉の市ではさまざまな縁起物が売られていますが、その中でも最も有名なものが「熊手」です。熊手は、数千円の小さいものから数万円もする大きなものまであります。
では、なぜ熊手が縁起物として考えられているのでしょうか。理由としては、熊手には「幸運をかきこむ」「たくさんのお金をかき集める」という意味が込められているためです。
また、酉の市が収穫祭として開催されていた江戸時代では、お祭りに訪れる農民相手に縁起物の熊手だけでなく、竹を熊の手のような形状になるように折り曲げてつくられた農機具の熊手も売られていました。
ちなみに、酉の市では「お守り熊手」と「縁起熊手」という2種類の熊手が売られており、どちらも昔から人気があります。
熊手以外の酉の市名物
酉の市では、かつては熊手だけでなく「黄金餅(こがねもち)」という名物も存在していました。黄金餅は、アワ餅の別名であり、アワともち米を混ぜてついた黄金色の和菓子です。「お金持ちになるように」と売られていていましたが、現在では黄金餅を売っているお店はほとんど見当たりません。
代わりに、もち米を加工した粉に、香辛料であるさんしょうの粉を砂糖と混ぜてつくった細長い和菓子「切山椒(きりざんしょ)」を商うお店が多くなりました。
また、他にも「頭の芋(とうのいも)」と呼ばれる里芋の一種の大きな芋が名物として有名でした。頭の芋は、別名「八頭」とも呼ばれ、「食べると出世できる」「たくさんの子供に恵まれる」などの意味が込められています。ですが、黄金餅と同様に、頭の芋を売っているお店は、以前より少なくなりました。
酉の市に関する言い伝え
江戸時代から「三の酉がある年は、火事が多い」との言い伝えがあります。三の酉とは、その年の3回目に開催される酉の市のことです。暦によって11月に酉の日が2日ある年と3日ある年があるため、酉の市の開催回数も変わります。
実際に三の酉がある年の火事の件数が特別多いわけではありませんが、江戸時代には江戸の町の大半を焼き尽くすほどの大火事が起こったため、このような言い伝えが生まれたのかもしれません。また、別の説では、浅草の酉の市に行くとかこつけて、すぐ近くの吉原へ行こうとする夫を家に居させるために妻たちが広めたことが言い伝えの始まりだといわれています。
いずれにせよ、三の酉がある年には、多くの熊手商が火事や災難除けの熊手を売ることが一般的です。
おわりに
江戸時代からの伝統行事である。酉の市。今回ご紹介した以外にも、酉の市にはさまざまな魅力があります。ぜひ足を運んで、幸運をかきこむ熊手を購入してはいかがでしょうか。
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